石川県立山中漆器産業技術センター

石川県挽物ひきもの轆轤ろくろ技術研修所

日本一を誇る山中の挽物轆轤技術紹介

木地挽物技術日本一を誇る山中漆器

漆器は木地師・下地師・塗師・蒔絵師などといった職人による分業によってつくられています。この構成は産地によって異なるのですが、山中漆器はとりわけ木地師が多い産地です。重要無形文化財保持者(人間国宝)である川北良造先生を筆頭に、およそ30ほどある木地師の事業所で毎日たくさんの挽物木地が製造されています。これほどの規模と技術のある産地は山中をおいて他にありません。

山中漆器の得意とする漆塗りのひとつである拭漆仕上は、木地の仕上つまりカンナの切れ味が漆によってあらわになります。そのため木目が見えない仕上げよりも気を遣い、木肌をきれいに仕上げる技術が求められています。ちなみに、木地を挽く時に使う専用の刃物「カンナ」は、全て職人が鋼を鍛造して作っています。そのため職人ごとに刃の形状が微妙に違い、切れ味や使い勝手にもそれぞれこだわりがあります。

※山中漆器の木地師についてまとめたパンフレット「木と出逢い、木に学び、木と生きる。」もぜひお読みください。
≫パンフレットのダウンロード(PDF/3.3MB)

優れた木地挽物のわざ

正倉院の校倉づくりの壁は、暑い時には木が収縮して風通し良く、雨が降ると木が膨張して気密性が高くなることによって湿度を調整しているという話があるように、木材は温湿度環境によって膨張収縮します。じつは木はじっとしていられません。でも蓋つきのお椀がゆがんで、親と蓋が合わないようになっては困ります。

じつは木が素直に行儀よくしてもらうために、どんなお椀を作る時にも、形状や木取りや乾燥や塗装など各製造段階において伝統ある様々な技術をほどこしています。

山中漆器を代表する特徴の一つである「竪木取(たてきどり)」した材料からつくる椀木地は、木が育つ方向に逆らわずに加工できるため、歪みが出にくくなる特徴があります。そのため椀のような一般的な形状はもちろんのこと、薄挽きや蓋物などといった精巧な仕上げも得意です。また、竪木取だからこそできる技法の一つに加飾挽きがあります。これは木地を挽く際にその表面に刻みつける装飾的な模様のことです。円状と渦状の2系統あり、それぞれ道具と加工方法が異なり様々な工夫を加えることで無限の模様を生み出すことができます。

加飾挽き模様一覧

  1. 千筋(鉋筋)
  2. 千筋(小刀筋)
  3. 平筋
  4. 盛筋(児雷也)
  5. 平子筋
  6. 盛子筋
  7. かつら筋
  8. 壇筋
  9. 広糸目筋
  10. 子持筋
  11. 籠目筋
  12. 刷毛目筋
  13. 荒筋
  14. 渦筋
  15. 星筋
  16. 鱗筋
  17. 稲穂筋
  18. 松鞠目筋
  19. 模様筋
  20. 遊環
  21. 銀線象嵌
  22. 乱筋

製造工程

◎映像紹介

椀の挽き方

以下のように計器をあてるのは、最初の数個です。それ以降は勘で正確にすばやく挽きます。

1.椀と同じ直径の針バメをつくり、轆轤の茶碗(口金)に固定する。

2.針バメに荒挽材を固定する。

3.針バメの直径に合わせて、荒挽材を挽き、椀の直径を決める。

4.コンパスで高台の直径のしるしをつけて、高台の直径を決める。

5.外型をあて確認しながら側面を形づくる。

6.トンボで測りつつ、高台の中を挽く。

7.セイキリで椀の高さのしるしをつける。

8.針バメから外して外側の完成。(必要数まで2〜8をくりかえす。)

9.茶碗(口金)から針バメを外し、椀の外形にちょうど合うハメを作る。

10.外側を仕上げた木地をハメに固定し、しるしをつけた所(7)まで挽いて椀の高さをきめる。

11.トンボで測りつつ深さをきめる。

12.内型で確認しながら中を形づくる。

13.ハメから椀を外して完成。(必要数まで10〜13をくりかえす。)

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